[天声人语]11月11日(第十三回)

楼主

xinlanmawen [离线]

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1楼

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 〈此(こ)の道や行く人なしに秋の暮〉。総選挙の開票が進む騒然とした夜、芭蕉
のこの句がしきりに脳裏を行き来した。□□の進む「道」について考えていたからか
もしれない。人の離合集散が劇的に起きる選挙という行事がもたらした感慨なのかも
しれない。 

 一夜明けて敗者の顔があれこれ浮かんでくるとき、その心境はまさに「秋の暮」で
あろうかと思ったりもする。同じ時期につくられたもう一つの句は〈人声や此の道帰
る秋の暮〉だ。「孤独感に根ざした人懐かしさのこころ」とは加藤楸邨(しゅうそん
)さん(『芭蕉全句』ちくま学芸文庫)。 

 作家の沢木耕太郎さんが父のことをつづった『無名』(幻冬舎)には俳句の話がち
りばめられている。久保田万太郎が好きだった病床の父にどんな句が好きか、とたず
ねる。〈あきかぜのふきぬけゆくや人の中〉だ、と。 

 死後、父が残した俳句を句集にまとめた。秋の句が突出して多かった。秋の部を二
つに分け、秋に始まり、秋に戻る体裁にした。生前最後の句も〈この路のつづくかぎ
りのコスモスぞ〉だった。句集のタイトルは著者が最も好きだった父の句〈その肩の
無頼のかげや懐手〉から「その肩の」にした。 

 父が亡くなったのは11月だった。「父が死ぬのにふさわしい月」と著者は記す。
作品から推察できる命日は、きのう10日である。俳句とは無縁の生活を送ってきた
著者だが、あるとき、死にゆく父への思いが不意に五七五の形をとった。〈ぽつぽつ
と命のしずく秋の雨〉 

 暦の上で冬とはいえ、深まる秋を感じさせる雨が降り続いている。 


朝日新聞社のasahi.com 2003年11月11日から
2015/7/4 10:07:24
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